2004年9月27日036号 銘菓 芋窪街道

昔ケーキ屋KENちゃんだった私は、今でもたくさんのケーキ屋さんを知っています。
東大和市(東京都)にある【茶屋エポック】もその一つです。
そのお店の代表的商品【銘菓・芋窪街道】は、実は私が企画・命名した商品なのです。

98年に店主の榎本氏がそれまで経営していた所沢(埼玉)のお店から現在の
住居を併用した店舗を新築し、その時の出店プロジェクトを担当したのが私だったのです。
な~んて書くとチョット大げさですが、私の趣味(YUKIに言わせると)とお客様(保険の)サービス
を兼ねてボランティアでお手伝いをしたのです。

本来なら、出店前に戦略をたてて、その戦略にあった立地条件を探すのですが…
予算の問題や、併用住宅で二人のお嬢さんの学校問題や奥様の意向や、いろいろあり
場所と予算が決まったら、そこからクチを出すことにしました。

決定した建設予定地に、私は一人クルマで見に行きました。
開通したばかりの多摩モノレールの始発駅【上北台駅】から徒歩5分で少し住宅街に
入った並木道にあります。
駅前といっても、出来たばかりのモノレールと空き地と広い空しか目に入りません。
それに、もう一つ私の目に焼きついたものがありました。
それはモノレールの線路が走る広い通りに付けられた道路標示の【芋窪街道】です。
その瞬間、アイデアが閃いた私は直ぐに、榎本氏に電話を入れました。

「スイートポテトを主力商品にしよう!
商品名は『銘菓・芋窪街道』出来れば地元のさつま芋が使えるか調べて欲しい、
それにもう一つマドレーヌを形やパッケージを工夫して『モノレーヌ』って云うのもどう思う?」
私は興奮気味に熱く話すのですが、榎本氏の反応は冷淡なものです…
「あのねー、あのへんじゃ芋窪って地名みんな嫌がっていてるみたいで、それを商品名にはねー。
モノレーヌって駄洒落ですよね、ちょっと今、忙しくて手が話せないもんで。」
電話はそっけなく切られてしまいました。
しかし、私の頭には『銘菓・芋窪街道』と『モノレーヌ』のイメージがどんどん湧いてきて
そのパッケージやロゴはもとより、新店舗のコンセプト、ブタのロゴマーク、開店チラシ、商品のしおりまで、
寝食を忘れ…いや食事は忘れないで仕事を忘れ…YUKIの冷たい視線を浴び…
イッキに書き上げてしまったのです。

開店してから6年…
今では榎本氏は地元ではちょっとした有名人。
商店会から役所まで幅広く顔を出して町おこしに積極的です。
榎本氏も私のダジャレ・センス?を引き継ぎ、地元の狭山茶を使ったパイ菓子を開発
その商品名を上北台駅から『神来たパイ』としたのですが、イマイチ伸び悩んでいます(笑)
それでも『銘菓・芋窪街道』はタウン誌はもとよりマスコミの取材も多く、定番商品として定着
したようです。

【茶屋エポック】のホームページを作ってあげる事になっているのですが…
やり始めると何でもとことんハマってしまう私にYUKIの目がまた光っています。
今は形が見えない保険という商品を売っている私にとって、洋菓子は形そのものであり
顧客の反応も素早い商品で実に楽しく、私のストレス解消にもなるのです。
しかしYUKIは私にストレスなんてあるわけはないと断言するのです。

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