2010年09月13日347号 この国の新しい姿

政治家は次の時代を考え、政治屋は次の選挙を考える…と言われます。

たった1年ほど前に一緒にマニュフェストを作って政権を勝ち取った民主党の 菅さんと小沢さんが首相の座を争ってケンケンガクガクの論争をし火曜日には決着を見るようです。 そして二人の意見を聞いても、それどころかどの野党どのマスコミも、 結局のところは”景気回復””雇用促進””デフレ脱却””円高阻止”… にどう立ち向かうか?という手法の問題のようです。

この問題はすでに20年ほど続けいるのに、いっこうに解決できないで これまで、その対策や赤字補てんに使われた国の借金は900兆円と増大しているのです。 そして、また今回もなけなしの財政をどのような財源からいくら投入にするかが問題のようで、 それ自身を正面切って異を唱える政治家はいないようです。 ギャンブルで負けた分は、どうしてもギャンブルで取り替えそうという事なのでしょうか(^_^;)

どうして、”経済成長”を前提としない、雇用を前提としない… 新しい時代の生き方を提示する政治家が出て来ないのでしょうか。

昔のSF小説やマンガで未来、すなわち現在の世の中を描いたもの中に 人間の世界にロボットの召使がたくさんいて人間はあくせく働くことを止めて 誰もが王侯貴族のような生活を楽しんでいるが…といったようなものがありました。

現在、ロボットこそ居ませんが、あらゆる物が昔から比べると格段に便利な社会になり 昔みたいに人間が働かなくても充分に生活出来るようになっているハズです。

それなのに、どうして庶民は貴族のような生活が出来ないのでしょうか? それには2つの理由があると私は思っています。 ひとつは…『ロボット化?』による利益が企業や株主や国に還元されたが庶民には還元されなかったという事。 そしてもうひとつは… 昔の貴族の生活レベル程度なら誰もが到達しているのだけど、 人間の欲望は果てしなく(またそのように仕向けられ) 常に飢餓感を持って消費を続けるマシーンにさせられいるのではないかという事です。

ようするに本当は、昔のようにムリして働かなくてもよい時代になっているということです。 実際に多くのヒキコモリや就職口が無い人たちが働かなくても、どうにか生活しているのです。(^_^;) 私はそれは自然の法則なのですから堂々と楽しむ事の方が大切だと思っているのです。 人間誰しも基本的には働くことなどしたくないのです(^_^;) 問題は就職出来ないことにウシロメタサを感じて生きることです。 本人はそこまで思っていなくて周りがそのように追い詰めていくことも問題です。

そこで働きたく無い人まで働く姿勢をだけは見せて(^_^;) ”雇用””雇用”の大合唱になり… どの政党も国民ニーズを満たすために”雇用促進”をマニュフェストに掲げることになって… そのためには景気回復となって(^_^;) 出口の無い閉塞感で毎年3万人の自殺者と国家財政の借金の山を作り続けているのです。

新しい産業で雇用の拡大と良く聞きますが、 新しい産業や技術が発展すれば、これまでの関連産業の雇用がそれ以上に失われます。 電気自動車も太陽光エネルギーなどによる自給が普及してしまえば、これまで自動車産業やガソリンなどの エネルギー産業で雇用されていた人たちの職は消えていきます。 私は今【iPad】に夢中ですが(^_^;) この5万円ほどで買えるツールがひとつあれば、 本も音楽もゲームも写真や映像も…なんでもこの1枚の薄い板に、ほとんどタダに近い値段で入ってしまいます。 これらの産業に係わってきた多くの雇用も失われていくでしょう。

でも、これは素晴らしいことです。 これまで大変なお金を使わなければ出来なかったことが、ほとんどタダで出来るわけですから(^_^;)

雇用を農業や介護や観光で創出するとの考えがあるようですが、 私はそれらのすべてに反対の理由を昨春に私のブログに書いています。 ●【農業】での雇用創出に反対な理由 ●【介護】での雇用創出に反対な理由 ●【観光】での雇用創出に反対な理由 ●【環境】での雇用創出に反対な理由 それらはとても重要な事ではあるが”雇用”という形を取ってしまうと、 結局は大変な経費が掛かって不健全なものになってしまう可能性が大きいということです。 基本はこれらを単なる労働の場と考えないボランティアや自立した小さな単位で”自営”する人たちが […]

2008年09月22日244号 日本の医療を考える

なんだかとても硬いタイトルになりましたが(^_^:) 【アカラックスのセミナー】同様、毎月開催される【日本の医療制度を守る市民の会】の セミナーに参加するようになり 必然的に「日本の医療を考える」ようになってしまったのです(^_^;)

なぜ?そのような会に参加するようになったか?といえば たまたまアカラックスに顔を出した時に、 FPの内藤真弓さんとライターの早川幸子さんが来られていて 【日本の医療制度を守る市民の会】を立ち上げたというのです。 毎月1回、ゲスト・スピーカーの講演を中野サンプラザで開催し、 終了後は懇親会も開いているので是非参加して欲しいと誘われたのです。 二人の美女から、そう誘われて断るわけにもいきませんし(^_^;) アカラックス・セミナーもそうですが、セミナーの後の懇親会というのは、 ホンネでバカな質問が出来たり人柄も伝わってとても楽しいものです。

ま~そんなわけで今月も17日(水)、YUKIと中野サンプラザに出かけました。 今回のテーマは【医療事故から学ぶ「医療の質」とは何か?】 ゲスト・スピーカーは愛育病院の医療安全管理室部長の加部一彦医師です。 医療事故といえば、古くは【白い巨搭】から 福島県立大野病院での妊婦死亡事故の裁判が記憶に新しいですが 加部医師がどのようなスタンスで語られるか興味がありました。

壇上に上がった加部医師はドクターというよりNHKの松本アナウンサーのような(^_^;) 人の良さそうな人物で、ボツボツとゆっくりしゃべる内容に 優しさの中に強い信念を感じて好感を持って聞くことが出しました。

医療事故の被害者は賠償金よりも真実を知りたがっている。 まず、その事を正直にディスクローズして被害者に”納得”してもらうことだ… というのが加部医師の基本的考えのようです。

私がこのセミナーで一番印象の残った言葉は、会場からの質問で 「そのような活動をやっていて、内部からの圧力があるのでは?」 というものに対して、 「あとで考えればアレが圧力だったのかな?と思うことは時々ありますが、 まー私はもともと窓際ですし…」 と答えたものです。(^_^;) このような一見、鈍(どん)で欲の無いような人が、 実はとても強いパワーを持っているのだなと、心が熱くなりました。

懇親会には生後38日で乳児が突然死した若い夫婦が私たちの隣に座りました。 加部医師の本を読んで感動し、今回のセミナーをインターネットで知って 栃木県からクルマで駆けつけたというのです。

人間は生きていること自身がリスクであるという認識を持つことが大切で そのリスクを転嫁することばかり考えているとギスギスした社会になってしまう… というのが保険屋にあるまじき私やYUKIの考えなのですが(^_^;) この若い夫妻の 「賠償金が欲しいのではない!”真実”をしって”納得”をしなければ 私たちは前に進むことが出来ないのです!」 その重い言葉には誰もが心を揺さぶられたようです。

土曜日(20日)テレビを見ていたら… 前回の7月のセミナーのゲストだった色平医師がテレビに映っています。 YUKIを慌ててテレビの前に呼んで一緒に見ていると、その時の懇親会で私たちの隣に座った 東大医学部6年生で地域医療に関心を持っていた青年も出てきました。 NHK総合の【にっぽんの現場】の【村へ来たれ医学生~長野・診療所の夏~】というドキュメントです。 毎年夏になると長野県の寒村に地域医療を体験するため医大生がやってきて 実際の現場から医師としての進路を模索するわけですが 実際に医大を卒業して地域医療に入ってくる人はほんの一握りと色平医師は嘆きます。

番組の最後に 私に長野の地域医療を熱く語ってくれた青年から色平医師に届いたメールが映し出されます。 そこには「都内の病院で最新医療を勉強し力をつけてから地域医療をやりたい…」 といったような事が書かれていて色平医師の寂しそうな表情が印象的です。

東大を中退し世界を放浪し、そこから地域医療をやりたいとの気持ちで医師になった […]