2008年08月04日237号 水と土

またガソリンが値上がりしました。
8月から1リッター180円を突破したようで、
年間3万キロは走る我が家の経済に打撃をあたえています。
しかし、こんな事をいつまでも続けられていたら、
近い将来われわれはガソリンを使わない生活をするようになるでしょう。

このような高騰が続くのは”投資マネー”が原油に集中しいるからだそうです。
まったく迷惑な話ですが、この調子でいけば原油の次は”水”だそうです。

日本人は「水と安全はタダ」と考えてる人種なので、”原油”の次は”水”だといわれてもピンときません。
たしかに最近では飲料水などはペット・ボトルやミネラル・ウオーターを購入する人が
増えたようですが全体の水使用量からいったらごく僅かなものです。
しかし、この僅かな飲料水でも飲めなくなったら大変なことになります。
原油やガソリンが無くなっても人間は死ぬことはありませんが、水がなければ人間イヤ
すべての生物は生きていくことが出来ないのです。

長野県の飯山で田んぼの草取りをして夜はその畑でホタルを見たことを書きましたが、
次の日は信越の尾根をガイド付きで歩いてみました。
厳しい自然の生態系の中で生き抜く動植物と美しい景色…
そして何よりの感動したのは冷たい自然水の美味しさでした(^_^;)   

飯山で田植えをしたり草取りをしているのは【蛍の宿を守る会】です。
蛍はとてもデリケートな昆虫で自然のキレイな水があるところにしか生息できません。
その為には田んぼや畑で農薬を使うことは出来ないのです。

この会の会長の小山さんは最初はどんな人かまったく知らなかったのですが(^_^;)
飯山市ではとても有名な元市長さんで自然保護やグリーン・ツーリズムの先駆者だそうで
今でも地元では大変な信望がある人だったのです。
【蛍の宿を守る会】はまったく営利を目的としておらず
地元の人たちと交流や、夜は地酒がたっぷりと用意され…
多分、小山さんが自腹を切っているのではと心配してしまうほどなのです。
そのような会だからこそスタッフや地元の後援者そして全国から集まる会員たちの
思いは熱く人間的な魅力に溢れているのです(^_^;)

水の大切さを思い知らされる飯山の【蛍の宿を守る会】ですが…
土の大切さを教えてくれる人が身近なところにいました。
それはエノちゃんの東大和市(東京都)で自然農業をやっている内野滋一さんで
3月の公民館セミナーでパネラーとして私とご一緒した方です。

31日(木)エノちゃんとオザキさんとで彼の農場を訪問しました。
といってもエノちゃんは毎朝!早朝に起きて内野さんの農場を手伝っているそうです。(^_^;)
内野さんが自然農法に取りくんだ原点は農大恩師の
『土は総ての生物の生命を保つ場所である』という言葉でした。
16年前に一切の化学肥料・農薬の使用をやめて堆肥のみによる栽培方式に切り換え
それまで大変な苦労があったようですが、
今ではとても豊な土が定着し、自慢の土を拝見し、    
とても美味しいトマトを頂きました。

日本はもともとはキレイな水や肥えた土に恵まれた美しい風土をもった国でした。
それが高度成長の中で農業も大きく変わり、水や土も農薬や公害で汚染されていきました。
海外からは安い農作物が輸入され日本の農業はますます疲弊していきます。
そんな中で、飯山の小山さんや東大和の内野さんのように自然と共存しながら
農業をやることの大切さを、訴えていく人たちも少しづつ増えているようです。
しかし、このような農業は国は積極的には応援せず、
まったく逆の大型の効率性の良い農業の方に向かわそうとします。
でも、これでは日本のキレイな水も、肥えた土も荒廃し、
水は高価な値段で売られるようになっていくかもしれません。

私の考えはこうです!
遺伝子組み換えや農薬を使った安価な穀物は日本では生産せず輸入で賄う。
日本では徹底した自然農法で農薬を一切使わずキレイな水と土にこだわり
テマヒマを充分にかけて安全で美味しい農作物だけを生産する。
これが実現すれば海外、特に中国からはいくら自国の農作物の数倍の値段がしたとしても
充分な需要が予想される。
なぜならば中国の1割が富裕層だとしても日本と同じ人口があるからだ。
あまり売れてしまったら肝心の日本人まで回って来ないかもしれないが(^_^;)
そうなれば、それでビッグ・ビジネスが成立するわけで日本の農業は潤うことに。
また海外に何かの事情で売れなければ日本人が消費すれば良いことで問題ナシ。

どちらにしても、これで世界に類を見ることがない
キレイな水と肥えた土壌の、ほんとうの意味で美しい日本の景観や自然文化が注目され
日本は世界の憧れの国になることは間違いないでしょう(^_^)

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