2005年04月25日066号 ホリエモン放送委員会

数週間前、ぶらりと寄った本屋さんの雑誌コーナーに数種類の月刊誌が平積みにされ、 どれも”ホリエモン”を特集しているのが目につきました。

【正論】という雑誌を手にすると、見事なぐらい反ホリエモンでビックリしました。 そして、その多くはホリエモンのメディアに対する認識の低さを攻撃しているようです。 で…出版社を見たらサンケイ新聞社で納得しました。 【諸君】の見出しは『ホリエモンに評価をくだす』です。 ホリエモン”騒動”に評価を下すならともかく、本人の評価はこれからだと私は思います。 案の定、ホリエモンが好きだの嫌いだのと云った次元の話しが多く 「常識や社会的マナーがない、日本人として…」などと云われますが だからベンチャーで、だから”ホリエモン”なのではないでしょうか。 【文芸春秋】は『平成ホリエモン事件』として多く著名人が投稿していますが、 ホリエモン自身のインタビュー記事があったので、結局それを一冊買いました。 それもまだ読み終えないうちに”ホリエモン騒動”は急転石化、和解記者会見が行われました。

その記者会見で”おなじみのキャラクター”が記者団の中でフラッシュを浴びながら いやいや?握手をするのを見ていて、私はある番組のアイデアが浮かんだのです。

【ホリエモン放送委員会】です。 毎週ゴールデンタイムでの生放送でフジテレビが総力をあげてのバラエティ番組です。 もちろんレギュラーはホリエモン・日枝会長・ニッポン放送のカメちゃんです。 準レギュラーとして”おすぎ”とか反ホリエモンのデーブスペクターや三宅久之にも登場願います。。 フジテレビの若手イケメンディレクター、美人アナ、伝説のアナログ正統派プロデューサ(そんなのいるか?) SBIの北尾CEOにも時々でいいですから白馬にまたがって登場願います。 そして毎週、豪華ゲストを迎えて…司会はやっぱりビートたけしで決まりでしょう。

そんなメンバーで「フジテレビがインターネットとどう融合していくのか?」をドタバタ論議をするのです。 具体的な番組作りのアイデアがまとまったら、その制作過程や問題点も公開しまた議論するのです。 もちろん番組はフジテレビお得意?のバカバカしいぐらいのバラエティーに徹してもらいます。 そして具体的な情報や進捗状況はライブドアのコンテンツから全てを公開して インターネットからの視聴者の意見や議論を取り入れ、 視聴者を巻き込んだ番組作りをしていくというものです。

「面白くなければテレビじゃない!」のフジテレビさん! このような企画はいかがでしょうか?やるなら今だと思うのですが?

2005年04月11日064号 放送とは何か?

戸倉信吉氏から一冊の本【放送とは何か?】が送られてきました。 戸倉氏は私のいとこの夫で、朝日放送にアナウンサーとして入社。 ラジオのパーソナリティ、テレビ番組のディレクター、プロデューサー、 CS放送に出向し全国を飛び回り放送のデジタル化を体現し その後、朝日放送のデジタルメディア局長を歴任し、 また現在は同志社や母校の関西学院中学部でも講師としても活躍しているようです。

まーココまでは正直に言うと著者略歴で知ったことで 戸倉氏の放送人としての私の認識は三十年ほど前、彼の結婚式にタレント桂三枝が来ていて、 それが当時の担当番組【新婚さんいらっしゃい】の関係であったということぐらいしかなかったのです。 今年の年賀状に放送人生の総決算として本を執筆中とあったのですが これほど本格的でアカデミックなものとは予想を上回る充実した内容だったのです。 また思わず微笑んだのが、本の帯に朝日放送常務取締役として和田省一氏の推薦文があることです。 実は戸倉氏と和田氏は義兄弟なのです(やくざではありません) 私のいとこ姉妹のペコとポコ(もちろん愛称です)の偶然にもそれぞれの配偶者になってしまったのです。 でも和田氏が常務になっていたとは。(^_^;) それにもう一つ【61号】で紹介した私の幼馴染み丸谷氏と戸倉氏の関係です。 関学の中学・高校・大学と一緒で同じ関西の放送局(毎日放送)に席を置き大変親しい仲だったようです。 先日、戸倉氏よりメールで中学時代の学芸会での丸谷氏と写った写真を添付してきました。 ほんとうに世の中は狭いものです。

さてさて、前置きがいつものことですが長くなりました…【放送とは何か?】です。 まさにホリエモン騒動の中、絶好のタイミングであり、 主に教材テキストとして書き下ろしたものですが、興味深く一気に読み上げました。 ラジオ・テレビの現場を知り尽くし、またCS放送やデジタル化を身をもって体験した 戸倉氏が放送人という立場からインターネットとの融合を掘り下げているのです。

放送はプロフェッショナルなもので社会的責任と公平さが求められるが、 インターネットはアマチュアで結果責任は問われないといわれますが… 私は保険屋の立場からインターネットを使ってテレビや新聞に報道されない情報を提供し お客様から多くの信頼を得ることが出来ました。 また毎日のように公共のテレビから流される外資系生保のCMにも問題があると思っています。 放送は正しい、ネットは怪しい…という事は時代ではないという事です。

私は興味深かったのは戸倉氏が『メディア・リテラシー教育』に力を注ぎ教鞭もとっている事です。 『メディア・リテラシー教育』とは一見公平に見えるメディアも、なんらかの制作意図やバイアスが かかっている事を知る教育です。 それを放送局の人間が母校の若い中学生に教えるとは、とても素晴らしい事だと感動しました。 「テレビで言っていたから…」と鵜呑みするのでなく、インターネットを含め、あらゆるメディアから 発信される玉石混合の情報を嗅ぎ分ける能力こそが情報化社会に求められる能力なのです。

幼い頃から熱烈阪急ファン(プロ野球)だった私は、すべての!?マスコミが偏見に満ちた大衆迎合主義 である事を見抜いていました。 阪急に何があっても巨人軍の数%も報道されないという事実です。 これは私のトラウマにもなって、その後の人間形成にも影響を与えたと思っているのです。 余談ですが、戸倉氏も地元関西でも珍しい?数少ない阪急ファンの一人で 優勝すると紅白のお饅頭を社内に配っていたというのです。 その話を始めて聞いた時はムチャクチャ感動したものです。

本についてはここでは語りつくせません。 教材しかも放送局社員という立場の中からも 一人の人間として、プロとしての思いが行間から溢れ戸倉氏の人柄が伝わってきます。 ネット社会については体験的にも一過言ある私としては、戸倉氏・丸谷氏・和田氏の放送業界の重臣!御三方と この本を肴に”ホリエモン論”も交えて大いに飲み語り合えたらと思いました。