2006年04月24日118号  クリスティーナ

ひさしぶりにサルサを踊りました。 もっと正確に言うと、ひさしぶりにクリスティーナのサルサ・レッスンに行きました。

【サルサ】と【クリスティーナ】の事は2年ほど前の週間KENで書きました。 クリスティーナにサルサの世界に拉致された私ですが、実はこの1年ほどのがれていたのです(^_^;) 決してサルサがイヤだとか、クリスティーナがイヤだとか、そう言うものではないのです。 サルサ音楽を聞くと血が騒ぐし、クリスティーナと話をしたり食事をするのは実に楽しいのです。

問題はサルサ・レッスンにあるのです。 最初から最後まで、音楽をかけっ放しで…「ハイ!モットワラッテ!モットココロカラ! ソノ”腰”ハチョットヘン!モットコウ!ハイ!UNO!DOS!TRES!…」 こんな調子で一時間半ぶっ続けでやるのです。

それでも西新宿住友ビルでのレッスンの時は生徒も多く、 疲れたら途中で休んだり、後方で適当に手を抜いたり出来たのです。 ある事情で教室が高円寺(杉並区)に移って生徒が激変してしまいました。 ヒロコと私は気の毒に思って、それからもマジメに通ったのですが… 生徒はヒロコと私だけと言う時もシバシバでした。 こうなると、途中で休んだり手を抜いたり出来ません。 クリスチーナはとてもパワフルなオーラを発散する人で、 ついついそのパワーにノセられてガンバってしまうのです。 クリスティーナからエネルギーを貰うつもりが、よく考えたら 彼女にエネルギーを吸い取られているのかもしれません。

クリスティーナがしばらく日本を離れたのと、ヒロコが就職して忙しくなった事もあり ここ1年ほどご無沙汰する事が出来たのです。(^_^;)

それがどうして、またクリスティーナのサルサ教室に行く事になったか、というと… ドイツの国営放送が日本にまでやって来て、クリスチーナのドキュメントを撮っていて サルサ教室の撮影があるので盛り上げて欲しいというのです。 ようするにエキストラみたいなものです(^_^;)

教室は懐かしい住友ビルです。 エキストラなんか必要がないくらいたくさんの生徒さんがいます。 圧倒的多数の女性の中に初老の紳士がひとり心細そうにたたずんでいました。 彼は私を見つけて仲間がいると思ったのか、ホッとしたように話しかけてきました。 「今日はじめて来たのですが女性ばかりですね、それに、あの外人の先生にはビックリしました、 いきなり抱きつかれてまして…そういうのって馴れてませんから」 私は「ソレはすぐ馴れます」と言うしかありません。

レッスンが始まりました。 相変らず、パワーいっぱい、オーラいっぱいのクリスティーナです! テレビ・カメラが入っているので、それが彼女をさらにパワーアップさせます! 私は一曲目からこりゃたまらん…と思いつつ、ステップを踏みます。 1年以上のブランクがあるので(ブランクがなくても)かなりイイカゲンなステップですが ”表情”だけは映画シャル・ウィ・ダンスの竹中直人ばりにクリスティーナに熱い?視線を送ります。 サルサはヨレヨレ、体力もヨレヨレ、それでも恥ずかしげも無く踊る私を見て、 初心者の生徒達も安心したのか、けっこう盛り上がって… 予想通りのノン・ストップ一時間半の”死”のレッスンは終わりました。

最後にクリスティーナがスピーチをはじまりました。 感情の起伏の激しいクリスティーナはいっぱい涙を浮かべています… スピーチが終わった時に、クリスチーナのハグに馴れれているヒロコがまず彼女に抱きつくました… 続いて、クリスチーナのハグに馴れている私も、その上から抱きつきました。 そして、いつもサルサ・レッスンを見ているだけのYUKIも走ってきて、三人でクリスチーナに抱きつきました! その時!テレビ・カメラは目の前まで迫っていました。

このシーンはテレビ番組で感動的?!シーンとしてドイツ全土に流されることでしょう(^_^;) まーエキストラとしての大役?は果たせたようですが、言葉も出ないほど疲れました。 この日、初めて参加した老紳士はレッスンが終わったと同時に私に尋ねました。 「もう帰っていいのでしょうか?とても疲れました」 これが老紳士にとって最初で最後のレッスンになるのでしょう、多分。

土曜日には六本木のドイツ・レストランでクリスチーナの絵の展示会が開かれまれした。 これがドイツのテレビ・クルーの最後の仕事になるようです。 […]