2009年06月22日283号 ひさびさに銀座で映画

ひさびさに銀座で映画をみました。
映画館で映画を見ること事態、2年前の『Sicko』以来ですが…
銀座で映画を見たの最後がいつだったかは昔すぎて思いだせません。(^_^;)

銀座と私の係わりについても以前に触れましたが、この界隈で 映画も数え切れないほど見てきました。
でも大きな映画館は日比谷や東銀座にあって、
銀座にあるの大きな映画館は京橋よりの『テアトル東京』ぐらいでした。
銀座の映画館という私のイメージは、並木通りにあった邦画の【並木座】や
和光の裏通りにあった『銀座文化』でした。

私が保険代理店を始めた頃、銀座和光と背中合わせで『ギャルリー・ル・コワン』という小さな画廊があり
バブルの全盛期にはサザビーズやクリスティーズといった世界的オークションで落札した絵画の
海上保険の契約を頂だいていました。
その画廊のハス向いに新しいシアターがオープンし、
それが『銀座文化』を建て替えた新しい映画館と知って時代の流れを感じたものですが、
それからすでに20年以上は経過したわけです(^_^;)

今回映画を見に行ったのは、その懐かしい『銀座文化』の跡地に建った『銀座シネスイッチ』というわけですが…
よく考えてみたら銀座で映画を見るのは30年ぶり以上という事になります。(^_^;)

6月19日金曜日。
YUKIが見たと言っていたフランス映画の『ベルサイユの子』です。
この映画館は金曜日は女性半額デイという事でヒロコも待ち合わせで行く事になりました。
考えてみたら私は何時でも映画は1000円で鑑賞出来る年齢(60歳以上)なので(YUKIも4月から)
いつでも良かったのですが…
この日が最終日の最終回でレディース・デイという事で女性 客でいっぱいです(^_^;)

たいした予備知識も興味もなくYUKI主導でいった映画でしたが
映画は大きなスクリーンの暗い映画館でじっくりと観るのとの思いはあるのです。

つまらない映画やドラマはだいたい最初の数分で判定がつくものです。
くどくどした説明や言い回し、テンポのない作品は最後まで同じです。

この映画はくどくどした説明どころか、何のまえぶれも説明もなく登場人物が出てきますが
少ないカットのアップ映像と、少ないセリフだけでもぐんぐんとスクリーンに引き込まれていきます。

若い母親ニーナと5歳の息子エンゾ。
ニーナは職につけづエンゾとの放浪の果て
ベルサイユ宮殿のはずれの小屋でホームレスとして生活するダミアンに出会い
一夜を共にしたニーナはエンゾを残し姿を消します。
残されたエンゾとダミアンの生活。
介護師として自立したニーナは息子エンゾに合うために向った小屋は全焼しゆくえを見失います。
ダミアンはエンゾをつれて確執のある父親と若い配偶者がいる実家に。
エンゾはダミアンの実子として申請し、エンゾはダミアンの実家で父親夫婦の元で暮らすことに。
少年に成長したエンゾと母親のニーナとの出会い…。
そこで映画は終ります。

複雑な人間関係も…ムダを一切そぎ落とし観客の想像力でだけでも充分に伝える
俳優の演技力と優れた演出力は見事なもので
あっけないと思われるラスト・シーンも見る人によっていろいろな事を考えてしまうことでしょう。
登場するすべての人が、それぞれ自立しながら優しい心根をもっていて
しかも現代社会に対する鋭いメッセージをもった秀作でした。

この映画の終了後、同じ劇場での入れ替えで、
クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』も最終日という事で観ようという作戦だったのです。
しかし前もって切符を買っていなかったため”立ち見”になるとの事であきらめました。
でも『ベルサイユの子』の余韻を味わうにはコレでよかったと思います。
せっかく銀座まで来たのだからという事で
ヒロコご推薦のインド・カレー屋さんに行って
しばらく映画談義に花をさかせました。    

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