2007年06月04日176号 千の風になって

ゼン君のママが亡くなりました、58歳でした。
ゼン君はヒロコと保育園を6年間過ごしたクラス・メイト?ですが…
幼かった本人たちより、親同士の方がクラス・メイトのようになっているのです。

ゼン君のママは【週間KEN】の創刊以来の愛読者で毎週月曜日を楽しみにして頂だき
会うとココでの話題をテーマに盛り上がったものです。

ちょうど1年前、【週間KEN】でワールドカップのドイツに行くとはしゃいでいたら、
さっそくゼン君のママからメールを頂き、彼女も5月の連休を利用してブダペスト・ウィーン・チェコを
旅行してきたばかりとのことで、ドイツの道路事情も教えてもらいました。
そして『クロアチア戦しっかっり応援願います!』とはっぱをかけられました(^_^;)

そのブダベストで撮ったという彼女の写真がひまわりの花に 囲まれ飾られています

ゼン君のママは、ひまわりの花のように…明るくて、包容力のあるパワフルな人でした。
ゼン君のパパもとてもユニークで個性的な人ですが喪主の挨拶でこう語りました。
「H子はとても聡明でスケールの大きい人で、私や息子達はその手のひらに乗っていました…」

昨年の9月に自動車保険の事で彼女と電話で話していて、
その話しの中で「ちょっと留守にしていたので…」と言うので、
私はまた旅行でも行ったのかと訊ねると、とてもあかるく
「すい臓がんで入院してたの」と答えたのです。

我が家は毎年大晦日にゼン君宅を訪問するのが恒例なのは週間KENでも触れました。
ゼン君のパパが作ったおせち料理を食べに行くのです(^_^;)
昨年の大晦日にお会いしたのが、結局最後になってしまいました。
こんなに早く…とは思いませんでした、
いや、気にはなっていても、なんだか様子を伺うのも怖かったのもたしかです。
太陽のように明るくて元気な彼女の弱った姿を見るのも…。

でも、お通夜も、その次の日の葬儀も…とても彼女らしい素晴らしいものでした。
仏式でもキリスト式でもない宗教色を一切排除して祭壇に花を添えるだけ。
流れる音楽は彼女が好きだったという美空ひばりや井上陽水。
ひばりの陽気な『東京キッド』の曲が流れる中、私は献花のために祭壇に向いました。
ひまわりに囲まれた明るく微笑む彼女の写真は今にも、おどけながら歌い出しそう…もうたまりません。

お通夜にはびっくりするほど多くの人達が次から次にやってきて献花の列は絶えません。
そして誰もがみんな涙をためていて、彼女の人徳がひしひしと伝わってきます。

翌日、お通夜に行けなかったヒロコと3人で葬儀にも出席しました。
昨夜に引き続き、同じ保育園仲間のダイ君とダイ君のママも来ていました。
ダイ君のパパはイラクで殺害された報道カメラマン橋田信介さんです。
ママもそれ以来テレビでも知られるようになりました。
とてもおとなしくて優しいダイ君はIT関係の仕事をしていたのですが
やっぱり父親の意思を継ぐと決心して、先月からテレビ局で働いているそうです。
この数年間だけでも保育園仲間に思いもかけない事が襲ってくものだと語り合いました。

葬儀の最後に、彼女の棺をかこんで、みんなで『千の風になって』を歌いました。
学校の先生をやっているゼン君のパパの声も…
役者を目指していたゼン君の声も…
北大の学生でコーラスをやっているゼン君の弟のエイ君の声も…
ひとりひとりの声が鮮明に聞こえてきます。
そして、みんな大きな声で歌いだし、涙をいっぱい溜めながらの大合唱です。
橋田信介さんの殺害がテレビで報道された時、毅然とた態度で涙ひとつ見せなかった
ダイ君のママも、涙を流して歌っています。

亡くなった人が、残された人達に語りかけるこの歌は
死生観も宗教観も、ひっくり返すような素晴らしく衝撃的な歌です。
宗教色の無い葬儀で、そして何より…ゼン君のママにピッタリのこの歌が
「泣かないで下さい♪」なんて語りかけられたら、よけい泣けてきます。

ゼン君のママ、やすらかにお休み下さい…
イヤそうではないのですね。

眠ってなんかいないのですね。
千の風となって、あの大きな空を吹きわたっているのですね。

よりパワーアップして!(^_^)

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