2005年08月07日081号 今年も花火に

昨年、鎌倉の豪邸から花火を見ながらご馳走を食べて早一年が経ちました。 こんな好いことはめったにないので、来年も是非誘って下さいとM氏にお願いしていたら 律儀なM氏はちゃんと私達ファミリーを約束通り誘ってくれたのです。 今年1月には北京ダッグのお誘いもあり、3回目の訪問です。

現在家出中のヒロコは仕事も超多忙で 「鎌倉に花火を見に…」なんて会社のボスに言える状態ではないようですが、 どんなに遅れても駆けつけると、はりきります。 花火も素晴らしいのですが、ノンベイでグルメのヒロコはマーちゃんをはじめ その仲間達と美味しく飲むことをとても楽しみにしているようです。

当日夕刻、YUKIと私はクルマで鎌倉に向ったのですが、大渋滞に巻き込まれ 結局ヒロコを最寄の片瀬山駅(モノレール)でピックアップして3人揃って到着した時は、 宴はたけなわ!花火も絶好調!です。 昨年とても感激したM氏のお母さんが鎌倉の山で春先に獲った”せり”の佃煮。 今回もありました!美味しいお赤飯と食べたら最高に幸せな気分になってしまいます(^_^)

今回、初めて参加したのは大学4年生で就職活動中のお嬢さん二人と 芝居の演出をやるという若干24歳の中野クンです。

私は二人のお嬢さんにどういう関係でココに?と尋ねたところ、 「Mさんが出入りされてる出版社で、アルバイトをしていて…」と、とても遠慮がちに言うのです。 私は「いやーボクなんか保険屋としてMさんにお逢いしたが最初ですから」と言ったことから 保険の話で盛り上がりDr.KENの宣伝もしておきました(^_^)

中野クンは童顔で最初は高校生かと思ったくらですが中々の人物。 それもそのはず、演劇界の鬼才”唐十郎”の愛弟子で この9月に、唐十郎原作の【黒いチューリップ】を新国立劇場で公演、その演出をやるというのです。

唐十郎というと…花園神社、テント劇場、腰巻お仙・横尾忠則のサイケなポスター等々 私の大学時代の光景が蘇ってきます。 ただ【黒いチューリップ】というと、アラン・ドロンも思い出す世代でもあるのです。 それを私が口にだすと、YUKIは続いて「あのデュマの作品を?」と聞くのです。 YUKIは気取っているのではありません(配偶者として庇っておきますが)唐十郎を知らないのです。 私と3歳しか違わないYUKIですが、私が懐かしいと思う、その頃の流行歌や日本映画や 風俗、流行と言ったものには一切、関心を示さなかったようなのです。 そんなYUKIがなぜボクに関心を示してしまったのかは、未だに大きな謎なのですが(^_^;)

中野クンを帰りに送って行きました。 車中で私は言いました「テント劇場の唐十郎の作品を国立劇場でやるとは時代が変わったね…」 中野クンは言いました「だから思い切って、私のような若者に演出を任せたのかもしれません…」 なるほど、でも唐十郎のエスプリを充分に吸収した中野クンの芝居は是非、見たいものだと思いました。

2005年01月31日054号 北京ダック

『北京ダック』なる食べ物があることを私の胃袋は忘れていました。 ずいぶん昔に高級中華料理店でほんの少しだけ 餃子の皮のようなもので巻いて食べた記憶が残ってはいるのですが 我が家の閉ざされた食文化の中で無縁な存在になっていたのです。

ところが、グルメでリッチで私のお客様になりそこねたMさん(29号で紹介)からメールで 「北京ダックを食べに来ませんか?」というお誘いがあったのです。 もちろん断る理由など、あるわけがありません。 北京ダックは北京に出張中のMさんのパートナー、マーチャンが直接持ち帰るというのです。 その後、なかなか連絡がなく、ヤキモキしていたのですが、無事!北京ダックが… いやマーちゃんが帰国とのメールが入り、翌日YUKIと鎌倉のMさんの実家に。

マーちゃんの友達を初め10名ほどのパーティです。 そして…いよいよ北京ダックの登場です! まるまる太った大きな北京ダックがそのまま大きなお皿におかれています! 美味しそうな色に焼かれていますが、長い首が横たわっており 今にも「アフラック!」と叫びそうな、アヒルである事を証明しています。 こんな大きなものを2つも北京から密かに持ち帰った、マーちゃんの熱意と パワーに経緯を評さざるをえません。 因みに、これが一匹、日本円にして1000円だというのも驚きです。

もちろん、食べるものはこれだけではありません、何と言って、こだわりのグルメの集りです 新鮮な鯛をそのままミンチ状にしてその場で揚げた”さつま揚げ”… 料理なんて何もしないと豪語していたMさんのお父さんが、 カイ割れを生ハムで巻いたオードブルの見事な盛り付けには一同びっくり! もうここで一つ一つ紹介していたら終らないほど飲むもの、食べるものすべてが ”感動”で最後のオードブルの杏仁豆腐までチガウのです。 私が宇宙人と思っているYUKIは、ここの人達からみたら、宇宙人をも越えています。 まったく食にこだわらない、二十数年、生活を共にしている私でさえ 何を食べて生きているかさだかでない珍しい生き物だからです。 でも不思議な事にYUKIはココがとても気にいっているようなのです、 食事はともかく、ユニークで楽しい人達が集るからです。 ちょっと言葉使いがテイネイなYUKIは『ミチコさま』とよばれて、どうにか うけいれられているようで、私も一安心です。

この日に行けなかったヒロコは、マーちゃんの大ファンで 翌日、特別にお邪魔させていただき、ご馳走になったようです。 ヒロコから私のケータイに伝言が入りました。 「今からおいしい白子と牡蠣を食べるんだけど、来ないかっていわれてる」と… 仕事で動いているので、断るしかなっかたのですが… ”鎌倉”では私を食事で釣れば必ず来ると思っていたようです。 何でも感激してパクパク食べちゃう私の事を”彼ら”は 『ガーベッジ(ごみばこ)KEN』と密かに呼んでいるようです。

2004年8月9日029号 花火大会のお誘い

鎌倉の”ご実家”で江ノ島の花火大会を見ながら、おいしい料理が頂けるという… とてもリッチなお誘いが、お客様のM氏よりありました。 お誘いがあれば、なんでも喜んで参加するのが我が家のモットーです。

お客様のMさんですが…正確に言うと、私の”お客様に2度もなりそこねた人”なのです。 一度目は 数年前、Mさんの人生のパートナー”マーちゃん”の生命保険で、 二度目は 、お父さんの相続がらみの保険で、ご相談を受けたのですが 最終的に 両方とも他社での契約となったのです。 (少しカッコよく表現させて頂ければ他社商品にお墨付きを与えたと言いたいのですが・笑) しかし保険マニア?のMさんとは 意気投合し、保険以外の話題にも時間を忘れて いつも話し込んでしまう間柄になっていたのです。

つい先日もMさんとパートナーのマーちゃんから、蒲田の安くて美味しい寿司屋があるので 「一緒しませんか?」という嬉しいお誘いを受けて、大いに盛り上がったばかりでした。

日本橋箱崎にお住まいで広告会社を経営するMさん、 パートナーのマーちゃんは八丁堀育ちのチャキチャキの江戸っ子で劇場(国立)運営がお仕事の とてもとてもチャーミングな才女です。 そして、鎌倉の高台にあるお住まいは、Mさんのご両親が3年前に建てられた、 トレンディ・ドラマの舞台になりそうな、いやそれ以上に洒落た鉄筋3階建・地下1階 エレベーター付き豪邸です。

ガラスをダイナミックに使用した開放的で明るい造り。 料理を作りながら歓談が出来るように 設計されたメイン・リヴィングは 来客をウエル・カムするM家のコンセプトが伝わってき ます。 大きな大きな窓ガラスの正面には江ノ島が絵葉書のように海に浮かんでいます。 テーブルには今日の料理のために庭で栽培 された自家製バジルがさりげなく飾られています。

”マルエツ”で半額で買ったモヤシの袋がさりげなく転がっている…我が家の雑然とした風景とは 涙が出るくらい差があるのです。

花火はここから見るのかと思っていたら、エレベーターで3階に案内されました。 そこは今日の花火大会の為に造られたのではないかと思うようなオープン・テラスです。 大きなテーブルにはお母様やMさんの友人手造りの豪華な料理や飲み物がところ狭しとならんでいます。 ウッディーな広いベランダに吹く夜風は、この夏の暑さがウソのような心地よさです。

7時15分から1時間の花火は、我々の為に打ち上げられたのではないかと思うような 完璧なロケーションと環境の中で、大満足の花火大会でありました。

美味しい手料理…とくに私が感激したのはお母様が春に鎌倉の山を散策しながら採取したという ”せり”のなんと懐かしいシャキシャキとした味わいでした。 「何もしないヒト」とお母様からカゲグチ?を言われたお父さんも、小まめに料理を運ばれ アルバイトがあり遅れて来たヒロコを駅ま迎えにいって頂いたりのフル回転で、さぞやお疲れが 出たのではと恐縮してしまいます。 マーちゃんは、とても楽しいキャラクター(マーちゃんも私のコトをそう言っているようですが…)で 結構アルコールも進み、大いに場を盛り上げてくれます。 そしてMさんですが…もう気の毒なぐらい、小まめに動かれ、ゲストに神経を使われていたようで 今回はゆっくりお話が出来なかったのですが、Mさんの優しい側面を見る事が出来ました。

ヒロコのサルサを披露したり、他のゲストの方達とも大いに歓談し ヒロコもYUKIも大いに飲んだようですが、私はシラフで美味しい料理に集中です。 私としてはクルマを置いて行きたかったのですが、帰りが楽だからという理由で何時ものコトですが トホホの運転手です。 お土産に頂いた自家製バジルの香りが車内に漂い、 ほろ酔い気分のYUKIとヒロコの心地よい寝息を聞きながらハンドルを握る私は 心からMさんに感謝したのです。