2009年01月5日259号 天丼屋のマイケル

明けましておめでとうございます!
昨年最後の週間KENで予言したようにアッというまに正月は終わってしまいました(^_^;)

でも、この正月はほとんどどこにも行かず、のんびりと家で過ごしました。
”ほとんど”というわけですので家から一歩も出なかったわけではありません。

2日に近くのファミレスにYUKIと一緒に出かけて
週間KENでも何度か登場している『八百屋のマイケル』に合うことにしました。

『八百屋のマイケル』は昨年の9月から『天丼屋のマイケル』になってしまいました。
しったがって毎晩YUKIと買い物に行くマルエツで会うこともなくなって
たまにマイケルがメールで近況を知らせてくれるぐらいです。

なぜマイケルが天丼屋になったかと言えば…
本業(八百屋はパート)の社長から毎日のように虐められツイに辞めてしまったからです。
私はもっと早く辞めてしまえと言い続けていたのですが責任感の強いマイケルは
腰を悪くして身体が動かなくなるまで働いたのです。
重い荷物は持てないからとタクシー会社に面接に行ったのですが、2年以内に辞めると
二種免許取得の費用などペナルティとして○十万円払わされる言われ断念しました。
そんな時に一人娘のお嬢さんが難病にかかって療養生活を…とマイケルの悲劇は続くのです。

でも捨てる神あれば拾う神あり!です。
マイケルの親しい知人が秦野(神奈川県)で出前専門の天丼屋をやっていたが
それを引き継いでもらえないか?…という話しがあったのです。
ただ、いくら親しい友人と言っても譲には譲るだけの理由があるわけで
そこを人の良いマイケルが乗り切れるか心配でしたが
60近いマイケルをまともに雇うとこもないでしょうから応援するしかありません(^_^;)

マイケルからメールの年賀状が元旦に入りました。
9月から1日も休まず早朝から夜遅くまで働き続けて元旦と2日だけは休暇が取れると書いています。
昔からいる店長やパートのおばさんとの軋轢や
小さなマイケルはアルバイトからもナメラレているようです。
また商売を始めたと同時にリーマン・ショックにはじまる不況ですから、どこまでもツイテいません(^_^;)

マイケルにとってはとても貴重な正月休みでしょうが、
2日の昼過ぎ電話をして「近くのファミレスでお茶でも飲まない」と声を掛けたら快諾してくれたのです。

疲れ切ったマイケルの話しを聞いていて、私は「いける」と確信しました。
まずマイケルが必死で頑張っていること。
そんなマイケルに従業員も少しづつだけど理解を示してきているのと、
この不況は商売をやる上では逆境でも、人を雇用する上では追い風でもあること。

出前専門なので店舗や人件費などの固定費が低いのと
天ぷらの原価率は低く、ロスもなく変動費の利益率がとても高いこと。
すなわち今の売り上げでもギリギリ赤字にはなっていないのです。
(マイケルの人件費がとても少ないようなので^_^;)

マイケルはチラシをくばったり、クーポンをつけたり、メニューをふやしたり
売り上げ増強にやるきまんまんですが、私はまったく別のアドバイスをしました。

今のお客様を大切にすることです。
今現在、一日平均の出前件数は30件ほどだそうです。
細かい分析はしていないようですが
一般の天丼屋と違って出前専門店はお客様の住所や電話番号が判って
注文品や時間や曜日も分かるのです。

一日30件で月に900件、年間で延べ約1万件の出前があったとしても
お客様の数、すなわち出前先はせいぜい千ぐらい
しかも総売上げの半分以上が、百件ぐらいのお客様であろうということです。

一日30件の出前ならエクセルで毎日、注文先の顧客名・品名・料金・時間などを入れて
おくだけで貴重なデータになるはずです。
テリトリーの秦野市の地図を壁にはって顧客の分布を虫ピンで見えるようにすること。
マイケルは秦野市は広くて出前しづらいとと嘆いていましたが、
だったらなおさら一軒一軒のお客様を大切に迅速に配達していくことが強みになるはずです。

メニューを増やすとか、設備投資をするとか
余計なエネルギーを使わずに、
せいぜい今より2割アップを最終目標に後は余裕を持って楽しく仕事が出来るように
地元の天丼屋としてお客様に密着していくこと!

そして店長と仲良く、お金の管理は皆でチェックしてトラブルの無いように!…
などなど、ついついチカラが入ってしまいましたが(^_^;)
マイケルも元気が出てきたようで
楽しい時間を持つことが出来ました。  

マイケルにとって実りのある1年でありますように
そして皆様にとっても(^_^)   この日の夕焼けです

Comments are closed.