毎年、桜の花が満開になる頃…「さくらギャラリー」という小さな会場で個展が開かれます。
元は学校の先生で今は長野にアトリエを持って活躍されている
”羽田龍史さん”と”はたじゅんこさん”ご夫妻の個展です。
羽田さんご夫妻との関係は、書き出すと止まらなくなる習性が私にはありますので(^_^;)
別の機会に書こうと思います。
今年の個展は3月29日(水)から4月3日(月)までで
今年はYUKIやヒロコの都合がつかず、最終日に私だけが行くことが出来ました。
午後2時ごろクルマを近くの路上に停めて「さくらギャラリー」に向かいました。
作品を見ながら10分ほど経過した時です。
消防車と思われるサイレンの音が聞こえて、
ギャラリー内にも微かですが、焦げ臭い匂いが漂ってきました。
外に出て見ると桜が霞むように煙が立ちこめて、消防車がけたたましいサイレンを鳴らしながら
私のクルマを路上駐車させている道路の反対側から次々にやってきます。
私は慌ててクルマに戻りました。
あんのじょう私のクルマが邪魔だと消防士がワメイテいます。
わたしはクルマをバックさせて立ち去ろうとしたのですが…
その道路の反対側が火事現場で、そこにも消防車が何台も止まって消化活動が行われているのです。
すなわち、私のクルマは前方も後方も消防車で挟まれて身動きが取れなくなってしまったのです。
こうなれば火事が鎮火して消防車が立ち去るまで待つしかありません。
だからと云ってクルマからあまり離れる事も出来ません。
花見をしたり…火事の様子を見たり…
桜ギャラリーのトイレを借りたり…クルマの中で読書をしたり…
時間を過ごすしかありません。
周辺をウロチョロしていると消防士や警官から
「ここから立ち去ってください!」と言われます。
私はそのたびに…
「私も早く立ち去りたいのですけど、何時まで待てばいいのでしょうか?」と聞き返します。
それに、しっかり返事出来る消防士や警官はひとりもいません。
消防士に聞くと「警官に聞いてくれ!」
警官に聞くと「消防士に聞いてくれ!」…と言うだけです。
消防車も32台(ニュースで知ったのですが)も停車したままです。
「こんなに消防車が集まっちゃって他で火事があったらどうするの?」
少々、皮肉とイヤミをこめて私が聞いても、
年配の消防士は「このような火事は目黒消防署でも1年に一回あるかないかの大火事ですから!」と
興奮した口調で言うだけで答えになっていません。
私と同じように仕事中に閉じ込められた会社員風の男性は、かなり怒り焦っていました。
私は開き直って、最後まで見届けるのも面白いと思って車内で本を読んでいると
その男性がクルマのドアを叩いて私に何か知らせようとしています。
ここから抜け出せる道を見つけたと言うのです。
私道の狭い道の通行止が2ヶ所あるのだが、その杭が抜けるので
そこを通過して総合病院の裏側に出て、そこにもクルマが入れないように遮断されているけど
それも取り外せるようなので入ることが出来る、
総合病院の敷地内に入る事が出来たら、一般道に抜け出せるとはずだと言うのです。
彼は消防士や警官の「よく判らないが、まだ数時間はかかりそう…」と言う曖昧な言葉に
憤慨して自分で必死になって抜け道を見つけたのでしょう。
彼のお陰で火事場拘束から4時間で解放されましたが、
じっと待っていたら何時まで待たされる事になったのでしょうか?
災害が発生したら、まずそこから一般人を退避さすのが基本ではないでしょうか?
そのような抜け道があったに関わらず
何十人もの(地元の)警官や消防士が何時間も現場に滞在しながら、
たしかな情報は何ひとつ伝わってこなかったのです。
大火事といっても火元の廃屋から隣接する数軒に類焼しただけでこの騒ぎです。
慎重に消化活動をする事は大切だと思いますが32台の消防車が直接的な消防活動をするでもなく
数時間も道路を閉鎖しなければならない理由が素人の私にはわかりません。
この程度の災害で、このありさまでは、ほんとうに大災害があったらどうなるのでしょうか?
大火事!大火事!…というわりには現場に、緊張感は感じられない のどかな花見日和の一日でした。
ひさびさに読書が出来た一日でした。
そして、先週号に続いてタイトルを【危機管理PARTⅢ】にしたい気持ちの一日でもありました。