2010年04月12日325号 野川の夜桜

4月6日火曜日、ヒロコから電話が入りました
「今晩、調布の野川で夜桜のライトアップがあるんだけどKENとYUKIも来ない?」
いきなりそう言われても何のことだか良く判りませんが、
桜が満開で天気の良い一晩の3時間だけライトアップされるというのです。

ヒロコの仕事仲間で私も知っている照明の田中さんもそのボランティアに参加していて
彼から突然声をかけられたようです。

なんせ私のモットーは先々号でも言ったように
「明日出来る事は明日しよう!」「今日しか出来ない事を今日しよう!」…というものですから
1年に一晩しか無い桜のライトアップと聞いては行かないわけにはいきません(^_^;)

待ち合わせ時間は、ヒロコの仕事の都合もあって午後8時に京王線の布田駅という事になり
私が外出先から一旦帰宅し、そのままYUKIをクルマに乗せ布田駅近くのパーキングに。
ヒロコと、そしてヒロコの元生徒でCM製作会社に勤務するヒデタカ君もやってきて
駅から15分ほど歩くと街並みの向うにライトアップされた桜が眩しく輝いています!

漆黒の夜空に、これほど多くの満開の桜が見事な照明によって浮かびあがる姿は
63年生きてきた私も初めて見る絶景です。(^_^;)
ライトアップが終了する9時までアト30分ほど、
川ぞいの道は一方通行でラッシュアワーのホームのような情況で前へ中々進みません、
誰もが美しい桜に目を奪われて足を止めてしまうのです。
    
徐々にライトは消され、川辺を一周することなく途中でライトアップは終わってしまいましたが、
来年はもっと早くからジックリと野川の夜桜を楽しみたいと思いました。

ライトアップが終わって田中さんと久々に合いました。
このライトアップはアークシステムズという照明の会社が最初は1本の桜の木をライトアップしたのが
始まりで、それが地元の人たちの支持を受けだんだん大きくなって、
地元住民や照明マンや多くの人たちのボレンテァで成り立っていて、田中さんも毎年参加しているようです。

ここで使われる照明機器はCM撮影で使われる世界の最先端を行くドイツ製の超高価なもの、
雨には弱いため絶対に雨の心配の無い桜が満開の日に1日だけ行われるというわけだそうです。

そういうことで照明マンの心意気も多いに感じられるわけですが…
桜の花に青や赤のライトを当てるのは、なんだかカビのはえたお餅のようでイマイチです(^_^;)  
ここまで来たら要望も高くどんどん膨らみます。

省エネ時代に、これだけのエネルギーを使ってと思われる方もいるかも知れませんが、
私はそうは思いません。
大きな闇の中に限られた時間だけライトアップされる桜だから美しく
多くの人に感動を与えるのではないでしょうか。
闇があるから灯りが美しく輝くのです。
ただ明るいだけで満遍なく平べったい街の夜景や
店舗やオフィスや室内の単調な照明に日本人は慣らされているのではないでしょうか。
海外の街の灯りや店舗や室内の濃淡のあるデリケートな照明にECOと安らぎを
感じた人もいるのではないでしょうか。
日本も篝火や提灯や独自の灯りの文化もあったのです。

これだけ見事な照明器具と多くのプロの照明マンが集合し
一夜限りのライトアップにこれだけ注目されるのですから
デリケートな照明の濃淡など…
プロの腕前で照明の重要性を披露するイベントとしての”位置付け”をすれば
更に盛り上がっていくのではないか!…なんて考えてしまいました(^_^;)

がんばれ日本の照明マン!

●この日の地元新聞のネット・ニュースです。

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